

ご家庭へのお願い(教育方針)
自分で選択し 自分でその結果を引き受ける
子どもの意思を尊重する教育は、ある意味とても厳しい一面を持っている
保護者の皆さんに質問です。
どちらが「優しい先生」だと思いますか?
A. 細かなところまで厳しく指導する先生
B. 生徒の気持ちや意思をできる限り尊重する先生
多くの方は、Bを選ぶのではないでしょうか。
では、少し条件を加えてみます。
A. 細かなところまで厳しく指導するかわりに、本番では一定の成果が出るよう導いてくれる先生
B. 生徒の気持ちや意思を尊重するかわりに、練習しなかった結果、本番で困ったり悔しい思いをしたりするのは本人だと伝える先生
こう考えると、一気に難しくなります。
優しさとは何でしょうか?
厳しさとは何でしょうか?
当教室は、どちらかといえばBの考え方を大切にしている教室です。
「気持ちを尊重すること」は、ただ甘いだけの関わりではありません。
自分で選ぶ自由があるということは、その選択によって起きる結果も、自分で受けとめていくということ。
これを「境界教育」と言います。
境界教育とは、「どこまでが自分の責任で、どこからが相手の責任なのか」を学んでいく教育です。
自分の気持ちや考えは、自分のもの。
相手の気持ちや考えは、相手のもの。
自分の選択によって起きた結果は、自分が受けとめていくもの。
相手の選択によって起きた結果まで、自分が背負わなくていいもの。
子どもがなかなか練習しないとき、つい「練習しなさい」と言いたくなりますよね。
お金を払って通わせているのは保護者の方ですし、せっかく舞台に立つなら、
できるだけ良い経験をしてほしい。
本番で困ってほしくない。
恥ずかしい思いをしてほしくない。
そう思うのは、とても自然なことです。
ただ、「練習しなさい」と言われ続けることで、練習が「自分のためにするもの」ではなく、「怒られないためにするもの」になってしまうことがあります。
また、本人の中で「練習するかどうか」は自分の問題ではなく、大人に管理されるものになってしまいます。
そして悲しいことに、大人がどれだけ「練習しなさい」と言っても、本人が本当に必要性を感じていなければ、なかなか練習は続きません。
だからこそ当教室では、最終的には子ども自身の気持ちや選択を尊重します。
舞台に立つのは、子ども自身です。
練習するかどうかを選ぶのも、最終的には子ども自身です。
そして、本番で感じる達成感や悔しさも、子ども自身のものです。
むしろ、「練習の仕方を伝えること」、「不安な気持ちに寄り添うこと」、「どうすれば覚えやすいかを一緒に考えること」など、自分で選び、その結果を受けとめるために必要なサポートは、かなり丁寧に行います。
けれど、講師が先回りしてすべてを管理し、本人の代わりに結果を引き受けることはしません。
ご家庭でも、「練習しなさい」と一方的に指示するより、次のように声をかけていただけたらと思います。
「あなたが練習しなかったとしても、お父さんやお母さんは困りません。ただ、本番で困ったり悔しい思いをしたりするのは、あなた自身だよ。」
もちろん、特に低学年のお子さまは、まだ一人でセリフを覚えたり、歌や振付を確認したりすることが難しい場合があります。
そのため、本人が「練習したい」「確認したい」と言ったときには、ぜひご家庭でも一緒に見てあげてください。
理想は、保護者の方が主導して「練習しよう」と引っ張る形ではなく、子ども自身が「練習したい」「確認したい」と言い、その気持ちに保護者の方が協力する形です。
ただし、最初からそれができる子ばかりではありません。
必要に応じて、「練習しなかったら、本番で困るのは自分だよ」と、結果を見通せるように声をかけていただくことも、大切な関わりだと考えています。
でも、頭では分かっていても、つい口を出したくなることもありますよね。
見守りたいのに、見守りきれない日もありますよね。
「本人に任せて本当に大丈夫なのかな」と不安になることもあると思います。
そんなときは、どうぞ気軽に運営や講師にご相談ください。
私たちは、子どもたちが大人に言われたから動くのではなく、自分で考え、自分で選び、その結果から学んでいく力を育てていきたいと思っています。
その力は、舞台の上だけでなく、学校生活や友人関係、そしてこれからの人生の中でも、子どもたちを支えてくれる大切な力になると考えています。

